死に損ないの手記






あるところに他の鳥と容姿の異なる鳥さんがいました。
その鳥さんは飛ぶことも出来ません。
他の鳥さん達は奇異な目で、その鳥さんを見ていました。
「醜い子」「飛べない子」と。
なので、誰もその鳥さんとは関わろうとはしませんでした。

でも、その鳥さんは
他の鳥さん達と、お話もしたければ、
一緒にお空を飛んだり、遊んだりしたいと思っていました。

毎日毎日飛ぶ練習をしました。
飛べないその鳥さんは
お空のお話に付いていけるように、毎日お空についてのお勉強も観察もしました。

飛ぶことは、未だできずにいた鳥さんでしたが、
少しずつ、他の鳥さん達と関わることが、
お話することができるようになりました。

そうなると尚更、他の鳥さんたちとお空を飛びたい。
お話だけではなく。

毎日毎日、以前よりももっと飛ぶ練習をしました。
寝ることもせず、ひたすら練習をしました。

その鳥さんの翼はボロボロになってしまいました。
もう、いくら練習しても飛ぶことは出来ません。

その鳥さんは自らそのボロボロになってしまった翼を切ってしまいました。
その鳥さんは「鳥」であることを止めてしまいました。
ようやくお話できるようになった他の鳥さん達とも関わらなくなってしまいました。

お空での出来事、お空のお話を聞きたくなかったから。

その鳥さんは再び独りぼっちになってしまいました。
毎日、皆が寝静まった頃にそっと出てきて
ずっとお月様を眺めていました。


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